ピッチングで球速が上がる!腕の振りを加速するリリース・手首の使い方は?

この記事では、全ての野球プレーヤー、特にこれからピッチャーを始める人、ピッチャーの人や指導者の方のために、腕の振りを加速するリリース・手首の使い方について解説します。今まで一連のピッチング動作解説が見たい方はこちらをご覧ください。 ピッチング動作の仕組みピッチャーは理解しておきたい!ピッチング動作の仕組みは?どのように力が伝わるの? ボールの握り方ピッチャーの理想的なストレート(フォーシーム)のボールの握り方は? 速く安定した球を投げるためのワインドアップとプレートの使い方とは?ピッチングで速く安定した球を投げるためのワインドアップとプレートの使い方とは? 速く安定した球を投げるための足の上げ方とは?ピッチングで速く安定した球を投げるための足の上げ方とは? ステップとテイクバックピッチングで速く安定した球を投げるためのステップとテイクバック 体の回転ピッチング上達のコツ!速く安定した球を投げるための前足ステップからの体の回転方法とは? 正しい腕・手首の使い方、リリースを覚えて、ピッチング技術をアップさせていきましょう!

まーく

ちなみに、この記事は、野球歴25年以上の野球マニアである、私まーくが書きました。みなさまのお役に立てれば嬉しいです。

理想的な腕の使い方〜リリースまでの流れは?

以前解説した、正しい前足ステップと体の回転が行われたあとに、ボールのリリースに向けて、腕・手首をどのように使えばしっかりとパワーが伝わっていくのでしょうか?まず、理想的な動作の流れは下記です。(解説の下に、参考になるフォームの動画も載せています)

腰が回転→肩が回転したあと…

  • STEP1
    肘が前に出ていく
    胸が十分に張りながらホーム方向を向き、投げる腕は、自然と肘から出てくる。この時、胸を張り、腰を前に押し込むようにし、体をしならせる。
  • STEP2
    肘を支点に前腕を振り始める
    肘が耳のあたりを通過し、肘が支点になって前腕を振り始める。それと同時に、グラブ側の腕をひねりながら抱え込んでいくことで、さらに腕の振りが加速する。
  • STEP3
    肘が伸びていく
    前腕を振ることで肘が伸びていく。伸び切る寸前、前足より前の位置で、それまで曲げていた手首を伸ばしていく。手首を伸ばしながら、人差し指と中指でボールを押し出す。
  • STEP4
    リリース
    手首が伸びて、人差し指と中指でボールを押し切ってリリース。このタイミングで、胸を閉じる動作を意識し、グラブ側の腕をしっかりと胸に巻き込む。リリース直後は前足に完全に体重が移動する。
以上が文章で解説した場合の腕・手首の動きになります。動画でも見てみましょう。
参考動画:大谷翔平投手

参考動画:ダルビッシュ投手

非常に綺麗なフォームのお二人ですね。素晴らしいです。以下、腕・手首の使い方で気をつけるポイントを解説します。

手の甲をバッターや3塁方向に向けて肘を上げられているか

よく初心者などであるのが、『手の甲を地面に向けたまま、腕をテイクバックしてしまう』というやり方です。実際にやってみるとわかりますが、この投げ方だと、肩や肘にストレスがかかり、故障につながります。肩や肘に負担がかからず、腕の振りも加速させるためには、『手の甲をバッター方向か3塁方向に向けて腕(肘)を上げる』という方法です。正確に言うと、手の甲を上に向けてボールを持った腕を振り上げていき、3塁方向、バッター方向にひねりながら肘をあげる、という動作です。こうすることで

  • 『腕のねじれ』を元に戻す力をピッチングに利用できる
  • 腕をスイングするときに肩への負担が減る
  • 肘を本来の動き(上下に曲げる動き)で使えるので、肘の負担が減る
というメリットがあります。
先ほどの動画でも、腕の動きに注目してみて欲しいのですが、大谷選手もダルビッシュ選手もこの動きがしっかりとできています。

テイクバックの腕の軌道は人それぞれ

例えば上の動画で出てくる大谷投手やダルビッシュ投手は比較的腕の振りの軌道がコンパクトな方です。逆に、例えば楽天の則本投手や中日の岩瀬投手などは、テイクバックの腕の振りが大きいです。極端に軌道が小さい例だと、広島の薮田投手やソフトバンクの五十嵐亮太投手は砲丸投げのように耳元で一回腕を引いて止めてから投げます。このようにプロでもテイクバックの腕の軌道は人それぞれなので、最も自分が投げやすい方法を探すのが良いでしょう。大事なのは、自分が投げやすい『トップ』の位置を作ることで、そこまでのテイクバックの軌道に良い悪いはないのです。

しっかりと胸の動きを使えているか

たまに、ピッチングフォームでグラブ側の腕をほとんど使えていない人がいますし、プロでもたまにそういう投げ方の人もいますが、基本はしっかりとグラブ側の腕を巻き込む動作をすることで、張っている胸を閉じるパワーが腕に伝わることになります。もしも使えていない人がいたら修正しましょう。

しっかりとステップをして腰を前に押し込めているか

内モモに力が入らなくなるくらいのステップ幅ではいけませんが、しっかりと前にステップしたのち、前足で踏ん張りながら腰と肩を回転させます。このとき、ステップ幅が足りなかったり、腰を前に押し込めていないと、十分にパワーが発揮できません。リリースの時に腰が曲がってしまう人やリリースの瞬間に弓のように体がしなっていない人は修正が必要です。

以上が腕の振りを加速するリリース・手首の使い方と注意点でした。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。