以前、速く安定した球を投げるための足の上げ方とステップ、テイクバックについて解説しました。 ピッチングで速く安定した球を投げるための足の上げ方とは? ピッチングで速く安定した球を投げるためのステップとテイクバック
この記事では、全ての野球プレーヤー、特にピッチャーの人やこれからピッチャーを始める人と、指導者の方のために、速く安定した球を投げるための前足ステップからの体の回転方法について解説します。
まーく
目次
ステップの後に腰と肩の回転が行われる。
以前解説したように、前足が着地した後に、腰の回転→肩の回転という順番で体が回転していきます。
ステップまでの解説はコチラ ピッチングで速く安定した球を投げるためのステップとテイクバック
- STEP1前足の母指球が着地前足の母指球が着地し、軸足の母指球から前足の母指球に体重が移っていく。このとき、軸足の内モモを内側にひねる。このとき、両腕はテイクバックされた姿勢に入っている。
- STEP2腰の回転が始まる前足が着地してから、腰の回転が始まる。軸足の内モモがさらに内側にひねられる。グローブ側の腕は巻き込みを始め、投げる側の腕はトップの位置に入るが、肩はまだ回転していない。
- STEP3肩の回転が始まる腰をさらに回転させ、軸足の内モモをさらに内側にひねる。腰がホーム方向を向いたタイミングで肩の回転が始まる。胸をしっかりと張り、腕は後方に残しておく。グラブがある方の腕は巻き込んでいる。
- STEP4肘が前に出てくる胸が十分に張りながらホーム方向を向き、投げる腕は、肘から出てくる。前腕はまだ後ろに残っており、肘から出てくるのがポイント。
腰が回転してから肩が回る
まず最も重要なのが、腰が回転してから肩が回転するという点です。下半身のステップ→腰の回転に引っ張られて肩が出てくることで、大きな力が生まれるのです。またこの時、回転の軸となっているのは体の中心ではなく、前足の股関節です。体の中心を軸としてしまうと横の回転しかできません。前足の股関節を軸とした、背負い投げのような回転のイメージで動かすことで、スムーズに腰の回転→肩の回転とパワーが伝わっていきます。
上半身の回転方向と腕の振る方向を合わせる
よくあるパターンで、腰は横回転、腕がオーバーやスリークウォーターの軌道という投げ方があります。これだと、回転の軸が一致していないので力が分散してしまいます。投げる腕の角度と上半身の回転方向を合わせるようにしましょう。右投げのオーバースローであれば、左の脇腹を締めるイメージです。
前足のつま先はホーム方向に向ける
踏み出した足のつま先は、しっかりとホーム方向を向けましょう。まっすぐと向けることで無理のない力の伝わり方になります。逆にずれていると、そのずれた方向にパワーが向かってしまいます。
前足はカカトから着地せず、母指球から
踏み出した前足をカカトから着地させてしまうと、膝が開き、体が開くのでせっかくの下半身のパワーが消えてしまうことになります。しっかりと『母指球』から着地するようにしましょう。カカトから前足を着地させると、腰と肩が同時に回ってしまい、『タメ』や『しなり』が全く使えなくなってしまうのです。理想のイメージは、前足で『カベ』を作るようなイメージです。
ボールを強く握りすぎない
ボールを最初から強く握っていると、腕の動きが固くなり、『しなり』が生まれず、結果的にパワーが伝わりにくくなります。リリースの瞬間まで、力を入れずに腕の意識はしないことが重要です。
投げる方の腕はしっかりと畳まれているか
腰の回転に引っ張られ、肩が回転し、腕が肘から出てくるのですが、このとき、しっかりと腕が畳まれ、肘から前に出てくることが重要です。なぜなら、腕が畳まれることでリリースまでの加速距離が長くなり、ボールに伝わる力が増えるからです。逆に腕の畳まれ方が不十分だと、腕が体から離れた、力の入らない軌道になってしまいます。
グラブ側の手をしっかりと活用する
グラブ側の手の巻き込みをしっかりと使えないと、ボールに伝わるパワーが落ちてしまいます。肩が回転を始め、十分に張られた胸を閉じる動作のパワーが、腕に伝わるので、グラブ側の手もしっかりと巻き込むことで、より腕に伝わるパワーが増えるのです。
また、これらの上半身の回転動作について、JBS武蔵さんの動画でも解説されていますので、ぜひ観てみてください。正しい上半身の回転運動を身につける練習方法も紹介されています。
以上が、速く安定した球を投げるための前足ステップからの体の回転でした。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。