この記事では、全ての野球プレーヤー、特にピッチャー・ピッチャーをこれから始める人と指導者の方のために、速く安定した球を投げるための足の上げ方について解説します。
ピッチングではなぜ足を上げるのでしょうか?その意味をご存知でしょうか?しっかりと理解し、野球技術向上にお役立ていただければと思います。
まーく
軸足にパワーを溜め込む
以前、ピッチングの一連の動作についてはこちらの記事で解説しました。 ピッチャーは理解しておきたい!ピッチング動作の仕組みは?どのように力が伝わるの?
その中で、『足を上げる』意味は、『軸足にパワーを溜め込む』ことです。足を上げた後に行う、体を前に移動させる体重移動、そしてそこから体を回転させる動きをするためのパワーを蓄えるのです。理想的な足の上げ方についてはこちらの動画を見てください。
- STEP1足の上げ始め左足を上げながら、上体をひねっていく。この時、体重はしっかりと軸足の母指球に乗せ、後ろに傾かないように注意する。
- STEP2垂直に立つ上体をさらにひねりながら、前足を上げていく。肩のラインを投球方向に向け、体の縦のラインは垂直を保つ。
- STEP3打者方向へ体重が移動しはじめる左足のつま先を2塁方向に向け、それと同時に体の重心が打者方向に移動し始める。肩のラインは少し右側に向き、軸足の内ももにしっかりと力を入れる。
かかとではなく母指球に体重を置く
非常に重要な点は、軸足で立った時に『かかとではなく母指球に体重を置く』という点です。かかとに体重を置いてしまうと体が後ろに傾き、下半身のパワーが上手く体幹部、肩、腕と伝わっていきません。軸足が曲がってしまう癖がある人は注意です。
投げる腕側の肩を下げない
また、投げる際に必要以上に投げる腕側の肩を下げてはいけません。動作上、少しは下がるのですが、意図的に下げるものではないです。よく、昔のプロ野球の映像などで投げる側の肩を下げて勢いをつけて投げるような投法をみますが、体感的には勢いがついているように感じるかもしれませんが、肩が下がって上がる、という動きにパワーが使われてしまうので、前に進む『並進運動』と体をひねって回す『回転運動』に伝わるパワーが減り、球の質は落ちます。理想は、例えば大谷投手のようなフォームです。
必要以上に足を上げすぎない
必要以上に足を高く上げるのも、体が後ろに傾く原因になります。足を思い切り上げると、力が入るような感じはしますが、実際は、体が傾くことで前に進む『並進運動』と体をひねって回す『回転運動』に伝わるパワーが減り、球の質が落ちます。足を上げるのは、体重移動のきっかけ・パワーを溜め込む動作なので、自然な形で上げるのが良いでしょう。
以上が速く安定した球を投げるための足の上げ方でした。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。