プロでも多くの選手が使っている『スライダー』。カウントを取るために使ったり決め球に使ったり、用途もたくさんあるので、習得できればかなりピッチングの幅が広がります。そこでこの記事では、ピッチャーやこれからピッチャーを始める人、指導者の方のために、様々なスライダーの握り方、投げ方のコツについて解説します。
まーく
目次
スライダーを投げる目的は?
スライダーは、文字通り横に変化するボールですが、ピッチャーの腕の振りの軌道によって変化する方向も変わります。
- オーバースロー:縦の変化or斜めの変化
- スリークォーター:横の変化or斜めの変化
- サイドスロー・アンダースロー:横の変化
また、特徴として、ストレートと同じ腕の振り・近いスピード(-20〜10キロ程度)で投げられることから
- カウントを取るためのボール
- 引っ掛けさせてファウルや内野ゴロを打たせるためのボール
- 空振りを取るためのボール
スライダーにはどんな種類があるの?
先ほど説明した通り、ピッチャーの腕の軌道によって変化する方向が変わるのと、握りの深さや腕の振り方(ひねらないorひねる)でもスピード・変化量が変わりますので、厳密に種類を定義づけるのが難しいです。しかし、大きくは2つの種類があります。
横スライダー
曲がる方向として、横にスライドするように曲がるタイプです。
縦スライダー
曲がる方向として、縦に落ちるように曲がるタイプです。
この他にも、握りを浅くして、カットボールとストレートの間のような『高速スライダー』『スラッター』と呼ばれるような種類もありますが、厳密に定義が決められているわけではありません。
様々なスライダーの握り方は?
スライダーの握り方を決める上での考え方
スライダーの握り方にも色々な種類があります。握り方にルール・正解はありません。どのようなボールを投げたいか、という目的から逆算して握り方を試してみるのが良いでしょう。変化の仕方は下記で決まりますので、色々と試してみましょう。
- 縫い目を握る位置
- 握りの深さ
- 指をどれだけの強さで縫い目に引っかけるか
- 回転方向に接する縫い目の数
- 手首のひねり方
- リリース時の指の引っ掛け方
スライダーの握り方の参考例
ここでは様々なスライダーの握り方を紹介します。これらの握り方を参考に、試しに投げてみてくださいね。
握り方1
握り方2
握り方3
握り方4
スライダーを投げる時のコツは?
こちらも握り方と同様、正解はありません。しかし、下記の点を意識している投手が多いです。
- ストレートと同じようにしっかりと腕を振る
- リリースの瞬間に中指or人差し指で切るイメージ
- リリースの瞬間に中指or人差し指でひねるイメージ
変化球に同じボールはない
最後に、『変化球に同じボールはない』ということをぜひ覚えておいてください。以前こちらの記事でも解説しましたが、変化球は回転数と回転方向、球速で様々な変化をします。 理解しておきたい、なぜ変化球は変化するの?自分で変化球をアレンジする方法とは?例えば菅野投手とダルビッシュ投手のスライダーは同じ球種であっても、厳密には軌道が違うボールなのです。その点を踏まえ、様々なスライダーの握り方、投げ方のコツを、自分なりにどうアレンジするか、創意工夫しながら習得していって下さいね。
以上が、様々なスライダーの握り方、投げ方のコツでした。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。