理解しておきたい、なぜ変化球は変化するの?自分で変化球をアレンジする方法とは?

『なぜ変化球は曲がるんだろう?』そう疑問に思ったことはありませんか?じつは、変化球が変化する仕組みを理解しておくことで、日頃のピッチングで使う自分の変化球をより進化させる工夫ができるようになるんですよ。全ての野球プレーヤー、特にピッチャーやこれからピッチャーを始める人と指導者の方のために、変化球が変化する仕組みと自分で変化球をアレンジする方法について解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

まーく

ちなみに、この記事は、野球歴25年以上の野球マニアである、私まーくが書きました。みなさまのお役に立てれば嬉しいです。

変化球は2つの地球のパワーを利用している

変化球はなぜ変化するのか?それはボールが投げられ、キャッチャーミットに入るまでに2つの力を利用しているからです。

気圧の変化

まず『回転を与えて変化させる変化球』はこのパワーを利用しています。例えばカーブ、スライダー、シュートなどです。
気圧の変化を利用するとはどういうことかというと、ボールが投げられて回転がかかっている方向のボールの面が回転の力により、空気が薄くなるのです。空気が薄い=気圧が低いと言えるのですが、物は気圧が高いところから低いところに動くという仕組みがあります(これは飛行機の翼と同じ仕組みです)。よって回転がかけられている方向、例えばスライダーであればピッチャーから見て左方向に、ボールが動くのです。
ちょっとややこしいかもしれませんが、『ボールは回転がかけられた方向に曲がる』と覚えておけばOKです。

重力

もう一つのパワーがこれです。『回転を与えないことで変化させる変化球』はこのパワーを利用しています。例えばフォーク、チェンジアップ、ナックルなどです。
当たり前ですが、ボールにも重さがあり、下に落ちようとするパワー(=重力)が働きます。ストレートはバックスピンがかかっているので、先ほど説明した『気圧の変化』により上に移動しようとするパワーが働くので、まっすぐに伸びてくるように見えますが、この回転をなくす、もしくは抑えることで、重力によりボールが落ちるように見えるのです。

初速と終速の差が変化する位置を決める

先ほどの2つのパワーだけを考えると、投げた瞬間からボールは変化しそうですが、実際は違います。投げる球種やピッチャーによって、変化球が変化し始めるポイントは違いますよね。それはなぜかというと『初速の方が速く、終速の方が遅いから』です。ピッチャーからリリースされた直後は、キャッチャー方向に進む力が加わった直後ですので、スピードが出ています。しかし、空気抵抗によりキャッチャーに近づくにつれ、スピードが落ちるのです。ボールに回転が加わっていた場合、このスピードが落ち始めたタイミングで、ボールが前に進む力と比べてボールが回転方向に変化するパワーの比率が大きくなっていくため、変化をし出すのです。
例えばスローカーブなどの遅い変化球は変化が始まるのが早く、カットボールやツーシームなどの速い変化球は変化が始まるのが遅く、かつ変化幅も小さいのです。

回転数と回転方向をコントロールして様々な変化球を投げられる

これらの仕組みを踏まえると、『変化球は回転数と回転方向で様々な変化を生める』ということがわかると思います。つまり、かっこよく言うと『自分でオリジナルの変化球が作れる』ということです。
回転数を決める要素は、

  • 腕の振りの速さ
  • 指をどれだけ縫い目に引っかけるか
  • 握りの深さ
  • 回転方向に接する縫い目の数
回転方向を決める要素は
  • 腕の振り出しの角度
  • 手首のひねり方
  • ボールの握り方
  • リリース時の指の引っ掛け方
です。
これらをそれぞれアレンジしていくことで、いろんな変化球を投げることができるのです。
ただし、腕の振りの速さや降り出す角度に関しては、ストレートを投げる時も変化球を投げる時も、常に同じが良いです。なぜなら、変化球の時だけ投げ方を変えていたら、変化球を投げることがバレてしまうからです。よって、
例えばカーブをもっと遅く、もっと遅く、変化幅を多くくしたかったら、握りを深くして回転数を落としつつ、縫い目の数が多くなるように握る、
カットボールとスライダーの間くらいの握り・深さで握って小さい変化のスライダー(スラッター)を投げてみる、など、色々なことが考えられますよね。

ぜひ色々と試してみて、変化球の技術を磨いていってみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。