配球のコツ!コースを投げ分けてストライクゾーンを広く使おう

プロ野球や高校野球の中継を観ていて、『ストライクゾーンを広く使う』とか『コースに投げ分ける』なんて解説者の言葉を聞いたことはありませんか?じつはこの考え方はバッターを打ち取っていく上で非常に重要なのです。そこでこの記事では、全ての野球プレーヤーと指導者の方のために、”コースを投げ分けてストライクゾーンを広く使う方法”について解説します。

まーく

ちなみに、この記事は、野球歴25年以上の野球マニアである、私まーくが書きました。みなさまのお役に立てれば嬉しいです。

ストライクゾーンの大きさって?

そもそもストライクゾーンとはどこなのでしょうか?

出典:wikipedia
公認野球規則では、ストライクゾーンを

「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。」

と定めています。
簡単に言うと、ストライクゾーンは上記画像の五角柱に囲われたゾーンになります。ここを通過すればストライク、通過しなければボールですね。

インコース、アウトコースいっぱいのボールは打ちにくい

インコースとアウトコース
こちらの図で、黄色いゾーンをインコース、赤いゾーンをアウトコースと呼んでます。配球をするにあたって、バッターからの視点で考えると、インコースは非常に体に近く感じ、アウトコースは体から遠く感じるので、両方とも、真ん中付近のボールに比べると打ちづらいと感じる打者が多いです。
つまり、同じストレートであったとしても、インコースとアウトコースではバッターの感じ方が違うのです。実際にインコースとアウトコースをヒットにできるミートポイントはインコースの方がホームベース手前、アウトコースはホームベースに近いところになり、取るべきタイミングが微妙に異なります。
これは非常に重要な点で、ピッチャーサイドから言うと、インコースとアウトコースに投げ分けることで、バッターの打つポイントをずらすことができるということなのです。
だから、”インコースとアウトコースに投げ分ける”のは有効なのです。
また、もう一つ、”バッターの目の残像を利用する”という観点もあります。これは、人間の目の錯覚を利用したもので、例えばインコースにストレートを投げられたあとにアウトコースに投球されると、インコースに投げられた軌道が短期記憶として残っているので、アウトコースのボールが本来より遠く見えてしまうのです。
つまり、『ボールだと思ったらストライクだった』という見逃しストライクも狙えるのです。この観点でもアウトコースとインコースの投げ分けは有効なのがわかりますね。

ストライクゾーンを広く使うとは?

アウトコースとインコースの投げ分けの有効性を利用して、下記の図のように、ストライクゾーンを目一杯使うことで、より”ストライクゾーンを広く”見せることができます。
ストライクゾーンを広く使う
このようにインコースいっぱいのボールやアウトコースいっぱいのボールを使うことで、バッターは様々な軌道のボールに対応しないといけなくなります。その分、きっちりとインパクトゾーンで捉えることのできる確率が下がっていくのです。
また、このようにストライクゾーンを広く使うことで、さらにそこからボール1個分外れたコースであっても、バッターがストライクだと思って振ってくれることもあるのです。

プレートの位置を変えて様々な軌道に見せる

テクニック的な話になりますが、下記の図のように、プレートの位置を変えることでも、バッターから見ると同じ球種であっても違う軌道になるので、非常に有効です。
プレートの位置による軌道の違い
プレートの3塁側から投げるか真ん中から投げるか1塁側から投げるかというだけで3つの軌道が微妙に違うのがわかると思います。
さらにこれでアウトコースインコースに投げ分けをしたら、バッターは様々な軌道に対応しなくてはいけなくなりますので、その都度、軌道に合わせてミートポイントの調整が必要になります。単に変化球を投げる以外にもこのようにバッターのタイミングをずらす方法がありますので、ぜひ使ってみてください。
ただし、これはピッチャー側に高いコントロール能力が求められます。なぜなら、プレートの位置を変えることはピッチャーにとっても投げるべき軌道が変わることだからです。よって、試合で使いたい場合は事前にしっかりと練習をしてから行うようにしましょう。

以上が、コースを投げ分けてストライクゾーンを広く使う方法でした。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。