よく『緩急を使ったピッチング』という言葉を聞きませんか?今まで左右(アウトコース・インコース)を使った配球と高低を使った配球について解説してきました。
ピッチングでアウトコースを攻める配球の気をつけるポイントは? ピッチングでインコースを攻める配球の気をつけるポイントは? ピッチングで高低を使う配球をするときの気をつけるポイントは?
ピッチングの配球はこの左右・高低に加え”前後”での揺さぶりによって完成します。どういうことか、詳しく解説していきます。
ピッチャーの方やこれからピッチャーを始める方、指導者の方などに、お役立ていただけるかと思います。
まーく
バッターを”前後”させる緩急を使ったピッチング
ピッチングはインコースやアウトコースへの揺さぶりに加え、”前後”にも揺さぶれます。それが『緩急』です。
例えば140kmのストレートの後に、100kmのスローカーブを投げられたら、バッターはボールが来るのを待ちきれずに”前”に出てしまいます。
もしくは、100kmのスローカーブの後に140kmのストレートがきたらどうでしょう?バッターは”後ろ”に差し込まれてミートすることができないでしょう。
これが緩急による配球です。
例えば元中日ドラゴンズの今中投手がスローカーブの使い手として有名です。
このように緩急は上手く使うことで非常に有効な配球となります。
相手バッターのレベルに合わせて緩急を使う
緩急はいつも使う必要はありません。相手が左右や高低の揺さぶりだけで打ち取れるバッターであればそれで打ち取ればよく、ある程度レベルの高いバッターに対して使いましょう。毎回全ての打者に使っていたら、配球のパターンが読まれたり、タイミングを合わされやすくなってしまうからです。
どういう場面で緩急を使ったピッチングが有効?
緩急を使ったピッチングが有効なのは、相手の意表をついて、『ストライクカウントを稼ぐ』場面と『空振りをとる』場面です。
ストライクカウントの稼ぎ方としては、例えば、初球にいきなりスローカーブをアウトコースの低めに投げる、などです。初球から、なかなか手を出しづらいようなコースと球種ですね。もしくは1球、インハイなどの厳しいコースにストレートを投げた後に、アウトローのスローカーブでも良いです。バッターは、早いカウントではなかなか手を出しにくいでしょう。
空振りの取り方の例としては、例えばストレートで2ストライクまで追い込んでおいて、バッターがストレートのタイミングに合わせようとしているところにスローカーブやチェンジアップを投げる、などです。もしくはダルビッシュ投手のように、ストレート2球で1-1にして、スライダーで空振りをとった後の、相手がスローカーブなんて考えていないようなタイミングであえて投げる、というのも面白い配球ですね。
以上が緩急を使う上で気をつけるポイントと、配球の例でした。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。