ピッチャーの方は、『低めに投げろ』という指導を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、なぜ低めに投げないといけないのでしょうか?実は低めにだけ投げていてはダメなんです。この記事では、ピッチャーやこれからピッチャーをやる方、指導者の方のために、『高低を使う配球をするときの気をつけるポイント』について解説します。
まーく
ちなみに、この記事は、野球歴25年以上の野球マニアである、私まーくが書きました。みなさまのお役に立てれば嬉しいです。
高めがあるから低めが生きる
『低めに投げろ』と指導される理由は、低めの方が打球が上がりにくく、低めのボールで打ち取ることができれば内野ゴロなどになりやすいため、長打になる確率が低いからです。しかし、ひたすら低めだけに投げていたらどうでしょうか?さすがにバッターも目が慣れて、低めのボールに対応してきます。
重要なのは、高めのボールと低めのボールを投げ分け、低めの球は低く、高めの球は高く見せることです。
また、人間の目は左右の距離よりも上下の距離の判断の方が難しいと言われています。よって、以前解説した左右に投げ分けることと同時に、高低を使うことでさらに打ち取れる確率が高くなっていくのです。
配球のコツ!コースを投げ分けてストライクゾーンを広く使おう
高低を使った配球例
例えば下記のような高低を使った配球例がありますので、参考にしてみてください。高低・左右への揺さぶりに加え変化球を織り交ぜた配球です。これが正解ではなく、試合状況やバッターの癖、ピッチャーの特徴などを加味して配球することが重要です。
配球例①(対右バッター)
- ①1球目はアウトコース低めの変化球でストライクをとります。初球のアウトコース低めの変化球は打ち損じを恐れて見送られることが多いです。
- ②2球目はインコース高めにストレートを投げ込みます。アウトローの変化球の後にインハイへのストレートはかなり高く感じ、タイミングも外れて空振りかファウルになることも多いです。
- ③3球目はインコース低めへのストレート系の変化球(理想はツーシームなどのシュート系)をかなり厳しいコースに投げます。2球目と3球目のどちらかでストライクが取れていればOKです。
- ④4球目は2ストライクに追い込んでいるので、高めのボールゾーンに思い切りストレートを投げ込みます。この流れを組めていれば、つい手を出してしまって空振りになる確率が高いです。
配球例②(対左バッター)
- ①1球目は膝元にスライダー系の変化球を投げて、ファウルか空振りでストライクを狙います。
- ②2球目はインコースの高めにストレートを投げ込みます。1球目のスライダーが効いていれば空振りかファウルになります。ボール気味でも大丈夫です。1球目と2球目のどちらかで必ず1ストライク取りましょう。
- ③3球目はアウトコース低めに逃げていく変化球(シュート系)を投げ、空振りを誘いましょう。
- ④4球目は真ん中高めに釣り球でストレートを投げ、振り遅れの凡打か、空振りを狙います。ここまでの4球でアウトが取れているのが理想です。
- ⑤もし4球目まででアウトが取れていなければ、5球目は真ん中低めの落ちる系の変化球(フォーク・チェンジアップなど)で空振りか内野ゴロに打ち取りましょう。