気分が乗る日は調子がいいんだけど、気分が乗らない日は全然練習に身が入らない…
スポーツをやっていると、こんなふうに感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
試合になると緊張して力が出せなかったり、逆に気負いすぎて普段と違う動きをしてしまったり…。
練習ではやる気がある日はトレーニングが苦にならないけど、気分が乗らない日は一生懸命練習に取り組めない…。
スポーツをやっているとよく出くわすこんなシチュエーションを解決できるもの、それが『メンタルトレーニング』です。
この記事では、全ての野球プレーヤーと指導者の方のために、『試合で結果を出すために必要なメンタルのあり方』について解説します。
まーく
目次
メンタルトレーニングとはどういうことをするのか?
メンタトルトレーニグは『選手のパフォーマンスを良くするために必要な精神的なスキル、物事への考え方をトレーニングすること』です。
技術的な課題を克服するための練習と同じように、メンタルにも個々人の課題があり、それを克服するための練習が必要なのです。
メンタルトレーニングを重ねていけば
- 試合でも自分の能力をいつも通り発揮することができる
- 調子が安定しやすくなり、大きく調子を崩すことがなくなる
- 練習にも常にモチベーションを保ちながら臨むことができる
- スポーツ以外の分野でもメンタルスキルを応用することができる
人は誰でも、メンタルトレーニングによって、試合で結果を出せる心理状態を作れるようになるのです。
大事なのは自分でコントロールできることだけに集中すること
試合や練習に臨む上で最も重要なことは、『自分でコントロールできることだけに集中すること』です。
自分がコントロールできないことに自分のパワーを注いでも、コントロールできないので、思い通りの結果になるかどうかはわかりません。
それよりも、コントロールできることに集中した方が、結果につながる、という考え方です。詳しく説明していきます。
自分でコントロールできることとは何か?
世の中には、
- 自分でコントロールできること
- 自分でコントロールできないこと
例えば自分でコントロールできることには下記のようなものがあります。
- 自分の考え方
- 自分の行動(体の動かし方やどう振る舞うか)
- 自分の発言
- グラウンドの状態
- 天候
- 審判の判定
- 相手チームの選手のプレー
- 過去のプレーの結果
- この先のプレーの結果
- チームメイトのプレー
『これからの自分自身のプレーの結果』でさえも、結果は相手があって初めて出るものですので、コントロールできません。
しかし、多くの人は、結果や、相手チームや、周りの行動や言動を気にし、『自分自身』に100%集中できていないのです。
まずは、自分でコントロールできること / できないこと の区別をつけられるようになりましょう。
毎日自分でコントロール出来ることとそうでないものを仕分ける訓練をしよう
重要なのは、毎日自分でコントロール出来ることとそうでないものを仕分ける訓練をすることです。
例えば、寝る前に、その日自分が気になったことを一覧で書き出して、それは自分がコントロールできることだったのかできないことだったのか、整理する時間を設けるのが良いでしょう。
このような作業を毎日続けることで、考え方が習慣化し、試合などの緊迫した状態でも、自分でコントロール出来ることとそうでないものを仕分けることができるようになります。
頭の中から余計な考えをなくそう
人が一度で頭の中で考えられることには限界があります。だから、自分でコントロールできないこと、例えば試合やプレーの結果や監督の反応などばかり気にしていると、それがずっと頭の中に残り、本当に自分が考えるべき『今この瞬間のプレー』に集中できなくなってしまいます。
頭の中から余計なことをなくし、自分がコントロールできることだけに集中しましょう。
最適な緊張状態を見つけ、維持しよう
先ほど、自分の考えや行動、言動がコントロールできる、という説明を挙げましたが、『緊張』もじつはコントロールできるものの一つです。
そんな方も多いかもしれません。
しかし『緊張』が全くない状態、つまりリラックスしすぎていると
- 気分が乗らない…
- プレーに集中できない…
- 勝負を諦めてしまう…
逆に過度に緊張してしまうと
- 焦ったプレーをしてしまう…
- 力んでしまう
- カーッとして自分をコントロールできなくなる
そしてこれが『適度な緊張』を持てていると
- 軽い緊張感や興奮を感じる
- ワクワクできたり、集中しやすくなる
理想の緊張は人によって違う
このちょうどいい緊張感の状態は人によって違います。
また、ポジションによっても違います。例えばサードは右バッターの引っ張った速い打球がくる可能性が高いので、高い緊張感を持っておいた方が良かったり、
逆にキャッチャーは冷静に試合状況を判断する必要があるので、緊張しすぎると良くないでしょう。
実際の試合や練習の中で自分の状態を確かめる、あるいは試合後に振り返りながら、自分がどういう状態でどういうパフォーマンスだったか、振り返ることが重要です。
緊張をコントロールする方法
とは言っても、どのように緊張をコントロールしていくのか、その方法を知りたいですよね。
じつはいろいろな方法があるのですが、一般的に言われている、行われているような方法は下記があるので、ご自身でも試してみてください。
- 心拍数が上がる運動をする(走る・ジャンプする・息を止める・わざと呼吸を速くする)
- アップテンポの音楽を聞いてテンションを上げる
- 大声を出す(試合前にチーム全員で円陣を組んで大声を出すチームがたまにあります)
- 腹式呼吸をしてリラックスるする
- わざと体に力を入れて、これ以上力が入らないところで一気に脱力する(筋弛緩法)
- スローテンポのリラックスできる音楽を聴く
- 鼻から大きく息を吸う(お腹が膨らむ)
- 口からゆっくりと吐く(お腹が凹む)
- 息を吸いながら体の一部に思い切り力を入れる
- これ以上力が入らないところで静止する
- 苦しくなったら、息を吐きながら脱力する
自分自身の状態を把握し、これらの方法を上手く使えば、緊張をコントロールし、最高のパフォーマンスが出せるようになりますね!
試合が終わるまで最適な緊張感を切らさない
良いパフォーマンスを出すためには、程よい緊張感を持つことが重要で、それは自分自身でコントロールできることがわかりました。
そして最後に重要なのは、
『試合が終わるまで最適な緊張感を切らさない』
ことです。
例えば試合の序盤に大量得点をしたが追加点は奪えず、気づいたら徐々に点を返され、最終的には逆転されてしまった、という経験はないでしょうか。
このとき、意識してるかしていないかは人によりますが、
『もうこの試合勝ったな…』
と序盤で思ってしまったために、緊張感が途切れ、知らず知らずにうちにプレーに精彩を欠き、その後の追加点に繋がらず、逆に点を返されていってしまう、そのような試合の流れを作ってしまうことが往々にしてあるのです。
大切なのは、試合の結果は極力気にせず、自分自身のコントロールできることに集中し、緊張が最適なポイントからずれてきたら、それを察知し、修正することです。
指導者の方であれば、チーム全体の雰囲気をみるといいでしょう。
このように緊張感と上手く付き合っていくのが、試合で結果を出すコツなのです。
以上が、試合で結果を出すために必要なメンタルの考え方でした。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。