メンタルトレーニングってなんで必要なんだろう…
そんなふうに考える保護者の方や指導者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
野球は日本のメジャーなスポーツの中では比較的歴史が古く、また、日本の『部活』という教育現場の性質とも相まって、頭を坊主にしたり、監督やコーチの言うことには絶対服従であったり、兵士のように足並みを揃えて走らされたりと、軍隊式の指導法が日本中に浸透しているスポーツでもあります。
昔ながらの指導では『精神力』と言われるものが重要視され、『気合い』『根性』というような合言葉のもと、選手にひたすら苦しい練習や経験をさせて、『精神力』を鍛えるというような考え方が広まっていました。
しかし、これらの指導に対する考えは、価値はゼロではないですが、非常に効率が悪く、前時代的なものであります。また、選手の心の自主性や発想力を奪うこともあります。
本当に選手に必要なのは心理学を利用した正しい『メンタルトレーニング』であり、わざと苦しい思いをさせる練習や監督、コーチの罵声でも暴力でもありません。
そこでこの記事ではまず、全ての野球プレーヤーと指導者の方のために、『メンタルトレーニングの必要性』について解説します。
他の記事では、具体的なメンタルトレーニングの方法についても紹介していきます。
まーく
目次
メンタルトレーニングはなぜ必要なのか?
メンタルトレーニングはなぜ必要なのか?
それは、スポーツで発揮されるパフォーマンスのベースとなるのが『メンタル』だからです。
スポーツで良いパフォーマンスを出すために必要なのは下記です。
- 身体(フィジカル)
- 技術(スキル)
- 戦術(タクティクス)
- 判断(デシジョン)
身体(フィジカル)
まず各選手のベースとなるのは身体(フィジカル)です。そしてそのスポーツに必要な身体(フィジカル)を手に入れるには基礎的なトレーニング(ウエイトトレーニングや体幹トレーニング、ランなど)が必要ですが、その適切な目標設定を行い、メンタルをコントロールするという能力が必須になります。
技術(スキル)
次に、必要なのは技術(スキル)です。
この技術(スキル)を得るには、実践につながる練習が必要で、ここでも適切な目標設定やメンタルコントロールが重要になります。
かつ、心理的に試合と近しい状況を作り出すような練習の設計も必要になります。
戦術(タクティクス)
特にチームプレーなどで重要になるのがこの戦術(タクティクス)です。
より複雑な戦術(タクティクス)に対応するためには、それらのプレーをイメージし、イメージと実際のアクションを結びつけるというテクニックが必要になります。
判断(デシジョン)
プレーの中で最終的な判断を下す力が求められます。
この判断(デシジョン)によって、プレーの方向性は大きく変わります。そしてこの判断(デシジョン)にはメンタルの力による影響が非常に大きく関わってきます。
このように、各項目に密接に関わっているのが『メンタル』なのです。
野球の特徴から考えるメンタルトレーニングの必要性
また、野球の様々な特徴から考えても、メンタルトレーニングは重要になってきます。
野球は考える時間が長いスポーツ
野球は選手一人一人が考える時間が長いスポーツです。守備の時は1球ごとの『間』がありますし、攻撃の時は、自分がバッターやランナーの時以外は、ベンチで考えている時間になります。
つまり、それらの時間に何を考え、どんな準備をするのかによって、結果も大きく変わってくるのです。
野球は相手があって初めて結果が出るスポーツ
当たり前ですが、野球は相手があって初めて成り立ちます。相手選手に対してプレーを行います。
よって、自分がコントロールできることは非常に限られています。相手ピッチャーが何を投げるのか、相手バッターがどんなスイングをするのか、自分ではコントロールできません。だから、『自分がコントロールできることにいかに集中できるか』というメンタルの保ち方が重要になってきます。
また同時に、相手が何をしているのかを分析し、自分自身の行動に生かすという考え方も必要です。
相手バッターがストレートを狙っているのであれば、変化球を投げるとか、そういう基本的な行動も、相手を分析できて初めてできるのです。
野球はミスが起こるスポーツ
野球はミスが起こりやすいスポーツです。
天候・気温・グラウンド状況・相手チーム・ピッチャーの投球・バッターのスイング・打球の回転速度・バッターランナーの足の速さ…
一つのプレーを構成している要素が驚くほどたくさんあります。
『全てが同じ要素のプレーは2度と起きない』、つまり、『常に様々な状況が起こる』ために、ミスが起こりやすいスポーツなのです。
だからこそ、
- どんな状況変化にも対応できる
- ミスがあっても動揺せず、次のプレーに移れる
以上が、メンタルトレーニングの必要性でした。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。