バッティングの指導を受けた時に『ボールをよく見ろ』と言われたことはありませんか?筆者もよく言われてきました。しかし、ピッチャーからリリースされたボールがキャッチャーミットに吸い込まれるまで、ボールを見続けることはできません。遠くから向かって来るものに対しては目で追うことができますが、目の前を横切るものを見ることは非常に難しいのです。例えば駅で目の前を通過する電車を鮮明に追うことは難しいはずです。じつは、バッティングの時のボールの追い方・見方にはコツがあります。今日はそれを解説します。
まーく
最初はボールを追いかけ、途中からは先回りして目線を置く
先ほど申しあげた通り、ボールがピッチャーの手元からリリースされ、ホームベースを通過するまで、ボールを見続けることはできません。そこで、
- ピッチャーのリリース(手元)からボールを追い続け、ボールのスピード・球種・コースを見極める
- 目線をホームベース手前に置いて、ボールの軌道に対して先回りしてボールを待つ
というボールの見方をすると、しっかりとボールが捉えられるようになります。
頭を動かさずに目だけを動かしてボールを見る
先ほど説明した、『最初はボールを追いかけ、途中からは先回りして目線を置く』とぃう方法ですが、先回りする視線の位置は、大まかにホームベースの手前ですが、人によって様々で、正解はありません。しかし、1点だけ共通していることは、『頭を動かさずに目だけを動かしてボールを見る』という点です。頭を動かすとどうしても目線がぶれ、ボールの軌道を見誤ります。頭を動かさないことで、より正確にボールの軌道を把握し、ミートすることができるのです。
バッティングフォームと目線の関係
バッティングの時の目線とバッティング動作は下記のような流れになります。
しっかりと打つためには、バッティング動作を行いながら、ボールを見るという行為が必要になるのです。
目線 | バッティングフォーム | |
1 | ピッチャーに目を向けタイミングをとる | 前足などでタイミングをとる |
2 | モーションからリリースまで目で追う | リリースに合わせてテイクバックしトップを作る |
3 | リリース後のボールの速度・軌道をみてコースを確認 | 前足のステップをし、腰の回転を始める |
4 | ホームベース手前に目線を移す | 肩の回転を始める |
5 | ボールのコース・高さ・球種を最終的に判断する | バットを振りだす |
6 | 描いた軌道に対してスイングに集中する | スイングし、フォローするまで |
リリースからインパクトまでの0.5秒で決断する
ピッチャーが投球して、インパクトまでの時間は0.5秒程度と言われています。しっかりと打つためには0.2秒(ピッチャーとバッターの中間地点からややピッチャー寄り)の地点でスイングするかどうかの判断をする必要があります。そして、スイングするのであれば、その0.2秒地点から、『コース』『タイミング』を残りの0.3秒で判断するのです。
バッティング動作ではこの2段階の決断が行われているので、日頃のバッティング練習の時から漠然とスイングするのではなく、自分の目のポイント・そこに入って来るボールの軌道・そのボールに対する体の使い方をしっかりと意識して練習しておきましょう。