バッティングはどのような体のパワーのメカニズムで行われているのでしょうか?じつは、バッティングの際の体のパワーの伝わり方を理解することが、バッティング技術向上の最初の1歩です。この記事では、全ての野球プレーヤーと指導者の方のために、バッティングの際の体のパワーの伝わり方と、重要なポイントを解説します。
まーく
バッティングの時のパワーの伝わり方って?
バッティングの構えてからの一連の動作と力の伝わり方は下記のようになります。
- 前足(軸足とは反対の足)とグリップを軽く動かし、ピッチャーの投球動作に合わせてタイミングを取る。
- 股関節周りの筋肉で軸足を安定させながらテイクバックを取る(軸足に体重が移動する)
- 体が開かないようにしながら前足をステップしていく。これによってカラダが捻られる。
- 前足(軸足とは反対の足)が着地したら、軸足から体重移動した力を前足で受け止め、壁を作るイメージで腰を鋭く回転させる。
- 腰が回転することによって捻られていた体を戻すように肩が鋭く回転していく。
- バットを返す(ヘッドを走らせる)ように鋭いスイングをする
- 手首が自然と返り、力むのないフォロースルーになる
実際に上記の動きをするとどうなるか、はこの動画の山田選手や鈴木誠也選手のフォームが参考になりますのでぜひ確認してみてください。
非常に素晴らしいフォームですね。
バッティングの時に最も重要な筋肉は?
ではバッティングの時に最も重要な筋肉はどこなのでしょう?それは『下半身』の筋肉です。
一見、バットを振る時に重要に見えるのは腕の筋肉だと思われがちですが、人間の体の中で最もパワーが出るのは『下半身』の筋肉なのです。まずテイクバックをして軸足に体重を乗せた時に、臀筋(お尻の筋肉)と大腿筋(太ももの筋肉)にパワーを溜め込み、前足をステップして体重移動をする際に内転筋群(太ももの内側)にパワーの溜めが移り、前足を踏み出した時に、前足全体や前脛骨筋(前足の膝から下の筋肉)で壁を作り、パワーを腰へとつなげていきます。下半身の使い方としては、森友哉選手が参考になるでしょう。
さらに体幹部のねじりがパワーを生みスイングを加速させる
さらに、下半身で生み出されたパワーが下半身から腰、体幹部を伝って腕、バットへと伝わっていきます。
前足でステップした後に、肩を閉じたまま腰が回転することで体幹がねじられます。この時、前足と後ろの肩を結んだラインを軸として、脇腹の腹斜筋、背中の広背筋がねじられます。
そしてそのまま肩を鋭く回転していくのですが、この時、上腕二頭筋(腕の力こぶの部分)や上腕三頭筋(二の腕の部分)でバットをリードし、回転を止めずにスイングしていきます。
そしてスイングの最後には肘や手首まで力が伝わり、そこからバットへと力が伝わっていくのです。
このような森友哉選手の上半身の使い方や大谷選手の体の使い方も参考になります。
以上がバッティングのパワーの伝わり方でした。バッティング技術向上のためにはまず仕組みから理解することが重要です。