ランナー1塁・2塁の時のバントシフトのやり方・動き方のコツって?

ランナー2塁の時のバントシフトについては以前書きました。
セカンドランナーランナー2塁の時のバントシフトのやり方・動き方のコツって? ランナー2塁の時のバントシフトの守り方と、ランナー1塁・2塁の時のバントシフトの守り方は微妙に違いがあります。そこでこの記事では指導者・プレーヤー向けにランナー1塁・2塁の時のバントシフトのコツについて説明していきます。

まーく

ちなみに、この記事は、野球歴25年以上の野球マニアである、私まーくが書きました。みなさまのお役に立てれば嬉しいです。

ランナー1塁・2塁の時のバントシフトでは2塁ランナーフォースアウトを狙う

0アウトか1アウトでランナー1塁・2塁の時、試合展開やバッター次第で、最初から送りバントを狙ってくる(構えてくる)場合があります。その際は、バントシフトをとり、2塁ランナーのフォースアウトを狙いましょう。基本的なシフトはランナー2塁の時のシフトと変わりませんが、1塁にもランナーがいますのでフォースプレーになり、若干プレーに余裕が生まれます。

各ポジションの動き方は?

この場合、バントの打球は、ファーストかピッチャーが処理するのが理想です。なぜならサードは2塁ランナーのフォースアウトのために3塁ベースに入る必要があるからです。逆に攻撃側はサードに打球を処理させようと、3塁側に打球を転がしてくる可能性が非常に高いということを頭に入れておきましょう。
では各ポジションの動き方をみていきましょう。

ピッチャー

  • 投球と同時にホームベースの3塁側に前進する(サード方向の打球はピッチャーが処理する)
  • 打球が来て、間に合えば3塁、間に合わなそうであれば1塁に送球する

ファースト

  • 投球と同時に一気に前進してバントコースを塞ぐ(ファースト方向の打球を処理する)
  • 打球が来て、間に合えば3塁、間に合わなそうであれば1塁に送球する

サード

  • バントが予想できる場面では、後ろに守りすぎないようにする
  • 投球と同時に少し前に出る
  • ピッチャーが打球を処理できそうであればすぐに3塁ベースに戻る
  • ピッチャーが打球を処理できなそうであれば、そのまま捕球し、1塁に送球する

セカンド

  • 投球と同時に少し前に出る
  • ピッチャーとファーストの間を打球が抜けそうであれば、自分で捕りにいく
  • 自分が捕る必要のない場所に飛んだら、1塁ベースカバーに入る

ショート

  • 投球と同時に少し前に出る
  • バントされたらセカンドベースカバーに入っておく

ショートが3塁ベースに入る場合もある

明らかにバッターがバントをしてくる、という場面ではサードが一気に前進し、ショートが3塁ベースカバーに入る場合もあります。これのメリットはサード・ピッチャー・ファーストと3選手でバントの処理にいきますので、バントのコースがほぼ塞がれ、2塁ランナーをアウトにできる確率が非常に高まるという点です。

各ポジションはどう動く?

ではこの場合、各ポジションはどのように動けばいいのでしょうか?
実は、サード・ショート以外、上記の動きと変わりはありません。

  • サード:投球と同時に一気に前進し、バントコースを塞ぐ
  • ショート:投球と同時に前に出て、打球を確認したら3塁ベースカバーに入る

というのが変更点になります。

注意
このプレーは1回しかできないプレイです。なぜなら、サードが前進するとわかっていれば、2塁ランナーは簡単に盗塁できてしまうからです。なので、『今だ!』というタイミングで勝負するつもりで実行しましょう。

ピックオフプレーを狙う

2塁ランナーのみの時と同じく、サインプレーでピックオフプレーを狙うこともできます。

2塁ランナーへのピックオフプレー

セカンドは投球に合わせて少し前に出ます。
バッターがバントをしなかった場合、そのままピッチャーの後方に走り込み、セカンドベースカバーに入ったショートとピッチャー・キャッチャーの一直線上に入ります。
そして、キャッチャーが飛び出しているセカンドランナーをアウトにすべく、送球をしたときに、合図に合わせて、カット・スルーを選択するのです。

  • 2塁ランナーがディレードスチール気味に3塁に向けて走り出している:カットして3塁送球
  • 2塁ランナーがそのまま2塁ベースに戻ろうとしている:スルーして2塁タッチアウト

という形です。この場合の判断はキャッチャーが行います。また、ピッチドアウトによって2塁ランナーを誘い出し、同じようにアウトを狙うこともできます。

1塁ランナーへのピックオフプレー

バントシフトの場合、ファーストはランナーの前に立ち、ピッチャーの投球と同時に前進します。
しかし、バッターにバントの気配がない時、あえてファーストがランナーの後ろのポジショニングし、サインプレーによって1塁ランナーのピックオフプレーを行うことも可能です。
プレーの流れは下記です。

  1. サードがピックオフプレーのサインを出す(最も動きが見えているポジションなので)
  2. タイミングを合わせて、ファーストは1塁ベースに入る・ピッチャーは1塁に牽制球を投げる。
注意
このプレーも1回しかできないプレイです。なぜなら2塁ランナーに進塁されてしまう恐れがあるからです。
また、1塁への送球の精度に十分注意しましょう。ファーストは必ずランナーの前でボールを受けること(交錯防止)、ピッチャーは送球のコントロールを間違わないことが重要です。失敗すると確実に進塁されてしまいます。
以上がランナー1塁・2塁の時のバントシフト、守る際の考え方でした。いずれにせよ、十分な実戦練習あってこそ試合で実行できるようになります。頑張りましょう!
また、ランナー1塁2塁で攻撃側がどのような点を意識してバントを仕掛けてくるか、興味がある方は、攻撃側の立場から解説したこちらの記事を参考にしてみてください。 ランナー1塁2塁 送りバント一気にチャンスを広げよう!ランナー1塁・2塁の時の送りバントのやり方・コツは?