ピッチングの配球を考える上で、重要な点として、”カウントによって気をつけるべきことが違う”という点です。試合で、ただなんとなく、ストライクを投げる!とか変化球を投げる!というようなピッチングをしていてはヒットを打たれる確率が高くなってしまいます。カウントによってバッターの心理・ピッチャーの心理を把握して、ピッチングを有利に進める術を身につけましょう!
ということでこの記事では、全ての野球プレーヤー、ピッチャーやこれからピッチャーになる人、指導者の方のために、”カウント別、配球(リード)の基本”について解説します。
まーく
目次
カウントによってバッター心理、ピッチャー心理は変わる
ご自身がピッチャー、バッターとしてフィールドに立った時のことを想像してもらえればわかると思いますが、”ボールカウントによって心理状態は大きく変わる”というのがポイントです。例えば2ストライク0ボールと追い込まれた時と、0ストライク3ボールの時では考えることは全然違うはずです。そしてそれはボールカウントによって傾向として表れますので、それを踏まえた上で配球することで、勝負を有利に進めることができるのです。
初球でファーストストライクを狙うのは基本
以前こちらの記事でも解説しましたが、カウントを有利に進めることが、ヒットやホームランを打たれる確率を下げることにつながります。 ピッチングで初球にファーストストライクを取った方がいい理由とは?なぜなら、ピッチャーにとって有利なカウント(1-0,2-0,2-1,2-2)ではバッターは思い切りスイングできず、かつ、ピッチャーもストライクを投げる必要性が低いので、必然的にヒット・ホームランの確率が下がるからです。よって、ファーストストライクを初球で取ることができれば間違いなく勝負を有利に進めることができます。ストライクの取り方についてはこちらで解説しているので確認してみてください。 ピッチャーなら知っておきたい、ストライクカウントを取る3つの方法とは? この記事では、ファーストストライクを取るべき0ストライク0ボールの状況(つまり初球)以外のカウント別の配球について解説します。
ピッチャー有利なカウントの配球(リード)の考え方
1ストライク0ボールの時は?
- ファーストストライクを取れて有利になっている
- できればもう1球ストライクを取って2-0にしたい
- 次の球を見逃されて1-1になっても不利ではないので、色々な配球が試せる状況
- 三振したくないので2ストライクには追い込まれたくない
- 次打てる球が来たら打ちにいきたい
- 全般的に積極性が上がっており、ボール球に手を出してしまう可能性も高い
- バッターは積極的に打ちに来るので、ストライクからボールになる変化球で空振りを狙う
- もしくは、インコースの緩い変化球やアウトコースの厳しいストレートでファウルを狙う
- 安易にストライクをとるような配球はNG
2ストライク0ボール、2ストライク1ボールの時は?
- 0ボールや1ボールなので無理してストライクを投げる必要がない
- ボールカウントに余裕があるので、色々な配球を試せる
- 三振したくないので、ストライクゾーンに来たら打ちにいかなければいけない
- 追い込まれているので思い切りスイングはできない。ミート意識が強い
- ウイニングショットの伏線になるようなボール球を投げる
- もしくはストライクからボールになる変化球で空振りを狙う
- 意味もなくボール球を投げるような配球はNG
2ストライク2ボールの時は?
- 追い込んでいるがなるべく2-3にはしたくない
- とはいえ2-3までボール球に1球余裕があるのでピッチャー有利である
- 三振したくないので、ストライクゾーンに来たら打ちにいかなければいけない
- 追い込まれているので思い切りスイングはできない。ミート意識が強い
- もし2-3にできればフォアボールの可能性も出て来る(フォアボール狙いの意識が少し芽生える)
- ストライクからボールになる変化球で空振りを狙う
- ストライクゾーンギリギリの球で見逃しを狙う
バッター有利なカウントの配球(リード)の考え方
0ストライク1ボール、0ストライク2ボール、0ストライク3ボールの時は?
- ボールをさらに先行してフォアボールや不利なカウントにしたくない
- ストライクは取りたいが、安易にいけばヒットやホームランを打たれてしまう(プレッシャー)
- 1ストライクを取られても構わないので、狙い球を絞って思い切りスイングできる
- 狙い球以外が来たら、ストライクゾーンであっても見逃せる
- バッターの狙い球を読んで、それを外した配球でストライクを取る
- 0-3で打ってくる可能性が低ければ、真ん中付近でストライクを取る
- (コントロール次第だが)アウトコース低めのストレートなど、ヒットになる可能性が低いゾーンでストライクを取る
1ストライク2ボール、1ストライク3ボールの時は?
- 1-3になるとフォアボールの可能性が出てくるので、ストライクが取りたい
- とはいえヒッティングカウントなので甘いところに投げると打たれる(プレッシャー)
- 2ストライクに追い込まれたくないので、ストライクゾーンは積極的に打ちにいきたい
- (3ボール時は)フォアボールも視野に入れる
- ストライクゾーンギリギリで勝負する。ただ、なるべくボールにはせず、ストライクゾーンで勝負にいく
- 強打者で1塁が空いていて、試合状況で歩かせても問題なければ、厳しいコースのみを突く
- 安易にストライクゾーンの甘いところ(真ん中付近)に投げると打たれる可能性が高いので注意
五分五分のカウントの配球(リード)の考え方
1ストライク1ボールの時は?
バッター有利になるか、ピッチャー有利になるかの分岐点になるカウントなので、非常に重要です。
- 1-2(ヒッティングカウント)になるとバッター有利になるので、なるべくストライクが取りたい
- とはいえ、甘めのストライク(真ん中付近)だと打たれてしまう(プレッシャー)
- 2-1に追い込まれたくないので、ストライクがきたら積極的に打ちにいきたい
- ストライクゾーンギリギリのコースで勝負する(勝負球を投げる)
- 真ん中付近のストライクゾーンに投げるとヒットやホームランを打たれるので注意
2ストライク3ボール(フルカウント)の時は?
この局面は、ピッチャー・バッターともにプレッシャーがかかる、勝負どころのカウントです。
- フォアボールは出したくない(プレッシャー)
- とはいえストライクゾーンの甘いところ(真ん中付近)に投げると打たれる(プレッシャー)
- 追い込まれているのでストライクゾーンに来れば振りにいく
- 三振はしたくないので、ミートすることを心がける
- ボール球がくればフォアボールになるのでしっかりとボールを見極めたい
- (コントロールがあれば)ストライクゾーンギリギリの厳しいコースに勝負球を投げる
- (コントロールが悪ければ)とにかくストライクゾーンめがけて思い切り勝負球を投げる
- 変に意識してボールが抜けたり、コントロールミスしないように注意しましょう