今も昔も多くのピッチャーが使う『シンカー』。習得できれば、カウント球にも使えますし、空振りをとる球にも使えます。そこでこの記事では、ピッチャーやこれからピッチャーを始める人、指導者の方のために、シンカーの握り方、投げ方のコツについて解説します。
まーく
シンカーを投げる目的は?
シンカーは、右ピッチャーが投げるボールは右側に曲がりながら沈んでいく変化になり、左ピッチャーが投げるボールは左側に沈んでいく変化になります。また、左ピッチャーが投げる場合は”シンカー”と呼びます。
- 空振りを取るためのボール
- カウントを取るためのボール
シンカーに種類はあるの?
大枠ではシンカー(スクリュー)は1種類ですが、スピードが速いシンカーのことを”パワーシンカー””ハードシンカー”といったり、より鋭く曲がる”ナックルシンカー”という球種もあります。スピードが速いシンカーを投げたい場合は、握りを浅くし、ストレートに近い握りにします(後述)。ナックルシンカーも特殊な握りが必要になります(後述)。
シンカーがどのように曲がるか、観てみたい方はこちらをご覧ください。
シンカーの握り方は?
シンカーの握り方を決める上での考え方
他の変化球と同じように、シンカーの握り方にも正解はありません。どのようなボールを投げたいか、という目的から逆算して握り方を色々と試してみましょう。そのうえで、最もしっくりくる握り方を見つけるのが重要です。参考に、変化を決める要素は下記です。
- 縫い目を握る位置(どの指を縫い目にかけるかも含めて)
- 握りの深さ
- 回転方向に接する縫い目の数
- 手首の使い方(固定するイメージか、ひねるイメージか)
- リリース時の指の押し込み方
シンカーの握り方参考例
シンカーの様々な握り方を紹介します。これらの握り方を参考に投げながら、良い握り方を見つけていってください。握りが浅く、指の間が短いものの方がスピードは出るが変化は小さく、握りが深く指の間が大きいものの方が、スピードは出ないが変化が大きい握り方になります。
握り方1
人差し指の方を左側の縫い目に引っ掛け、リリース時には、中指と薬指の間から抜くように投げます。中指でボールを外に押し出すようなイメージです。
握り方2
人差し指と中指を縫い目にかけ、やや大きめに指の間をとります。投げる際は中指を中心として、外側に押しだしながら回転をかけるようにリリースします。
握り方3
中指を縫い目にかけ、人差し指はかけません。中指と薬指の間からリリースするイメージで、ストレートと同じように腕を振って投げます。
握り方4
フォークやスプリットのように中指と薬指の間を広げて握ります。リリース時は、親指→人差し指→中指→薬指→小指と指が離れていくイメージで投げます。
握り方5
握り方2と、縫い目が逆の握り方です。投げる際は中指と人差し指の間から、外側に押しだしながら回転をかけるようにリリースします。
握り方6(ナックルシンカー)
非常にコントロールが難しいですが、人差し指を立て、中指をボールの中心において握ります。リリース時は少し抜くイメージでそのままリリースします。
シンカーを投げる時のコツは?
下記のような意識を持って投げると上手くシンカーを投げられるようになります。ぜひ試行錯誤しながらコツを掴んでいってください。
- ストレートと同じ腕の振りで、しっかりと腕を振る
- リリースの瞬間に人差し指or中指で押し込む※握り方によって変わります。大事なのはシンカー回転をかけることです。
- リリースの時に、外側に手首をひねるイメージで投げる
- リリースの時に、中指と薬指の間から抜くイメージで投げる
変化球に同じボールはない
最後に、『変化球に同じボールはない』ということをぜひ覚えておいてください。以前こちらの記事でも解説しましたが、変化球は回転数と回転方向、球速で様々な変化をします。 理解しておきたい、なぜ変化球は変化するの?自分で変化球をアレンジする方法とは?例えば潮崎哲也投手と高津臣吾投手のシンカーは同じ球種であっても、厳密には軌道が違うボールなのです。その点を踏まえ、様々なシンカーの握り方、投げ方のコツを、自分なりにどうアレンジするか、創意工夫しながら習得していって下さいね。
以上が、シンカーの握り方、投げ方のコツでした。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。