【2021年最新版】野球のFA(フリーエージェント)とは?取得できる条件やFA宣言した選手一覧を解説!

プロ野球のニュースでFA(フリーエージェント)って聞くけど、よくわからない…
FA(フリーエージェント)の取得条件やルールは?

この記事ではそんな方に向けて

  • FA(フリーエージェント)とは何か
  • FA(フリーエージェント)の取得条件
  • なぜ選手はFA(フリーエージェント)を宣言するのか?
などを解説していきます。

まーく

ちなみに、この記事は、野球歴25年以上の野球マニアである、私まーくが書きました。みなさまのお役に立てればうれしいです。

FA(フリーエージェント)とは

FA(フリーエージェント)とは一言でいうと

  • プロ野球選手が、自チーム・他チームと自由に選手契約できる権利
です。よくニュースなどで聞く「FA宣言」はこの権利を宣言することを指しています。
ちなみに選手は、FA宣言をしたうえで、元々所属していた球団と契約することもできます。
FAには2種類あり、国内FA海外FAがあります。
国内FA
国内のプロ野球チームと選手契約できる権利
海外FA
国内・海外のプロ野球チームと選手契約できる権利
いずれもNPB(日本野球機構)の定める資格条件を満たす必要があります。
現在のプロ野球では『ドラフト制度』を採用しており、プロ野球志望届を出したアマチュア選手の中から、球団が指名した選手と交渉し、契約を結ぶ形になっています。
つまり、選手側から契約したい球団を指名することはできません。
そういった背景も加味し、「特定の球団に所属してから一定の期間が経てば、選手が自由に各球団と交渉・契約ができる」のがFA(フリーエージェント)制度です。

FA(フリーエージェント)の取得条件は?

過去、逆指名制度があった頃は若干違いますが、現在は下記の条件でFA権が取得できます。

国内FA権の取得条件

  • 2006年までのドラフトで入団した全選手:累計8年(通算1160日)経過
  • 2007年以降のドラフトで入団した高校生:累計8年経過
  • 2007年以降のドラフトで入団した大学生・社会人:累計7年(通算1015日)経過

海外FA権の取得条件

  • 全選手が累計9年経過

『1年』のカウント方法

FA(フリーエージェント)の取得条件は、上記の通り累計何年経ったか?で決まりますが、その定義は下記です。

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  • 出場選手登録(一軍登録)で145日を”1年”として換算し、規定の年数が経過すると権利が取得できます。
  • 1シーズンにおいて145日より多く出場選手登録されても、145日までしかカウントされません。
  • 出場選手登録の日数が145日未満の日数がある場合は、日数を合計して、145日ごとに”1年”に換算されます。
  • 途中で所属チームが変わっても、カウントは引き継がれます。
また、下記の場合は出場選手登録扱いとなる救済策があります。
  • オールスター期間前後に登板間隔が10日以上となるために登録抹消される場合
  • 開幕2カード目での先発予定のため開幕時点で登録されない場合
  • レギュラーシーズン終了からクライマックスシリーズのチーム初戦まで10日以上あるため自動的に登録抹消となる場合

FA権の再取得

FAを宣言した後、再度FA権を取得できるのは、残留・移籍を問わず4年後になります。
また、FAを宣言しなかった場合は、その権利は翌年以降に持ち越されます。

外国人枠の選手がFA権を取得する場合

プロ野球には外国人枠があり、1つのチームで出場選手登録できる数が決まっていますが、外国人枠の選手がFA権を取得すると、権利行使の有無に関わらず、翌年のシーズンからは外国人枠から外れ、一般の日本人選手と同じ扱いになります。

故障者選手特例措置制度

故障者選手特例措置制度は下記の条件を満たした選手の出場選手登録日数を救済する制度です。これによっても、”出場選手登録日数”が加算されます。

  • (前提条件として)前年の出場選手登録が145日以上
  • 2月1日~11月30日の間にグラウンド上で発生した故障が原因で出場選手登録を抹消されることで、その年の出場登録日数が145日に達しない選手の場合、登録抹消日から2軍の公式戦に出場するまでの日数のうち、最大60日までその年の出場選手登録の日数に加算されます。
  • シーズン中に数回に渡って登録抹消がなった場合でも、累計60日まで加算されます。
  • の制度により出場登録日数が加算された場合、翌年は適用の対象外となります。

なぜ選手はFA(フリーエージェント)を宣言するのか?

もちろん選手によって様々な理由がありますが、FA(フリーエージェント)を宣言する理由は主に下記のような理由が多いです。

  • 年俸や契約年数が良いチームにいきたい(高く、長く契約してくれること)
  • 出場機会の多いチームにいきたい
  • 強いチームに移って優勝したい
  • 子供の頃から憧れているチームにいきたい
  • 地元や家族によって環境がいい場所のチームにいきたい
これらのどれが1つが強い場合や、複数の理由によりFA権を行使する選手が多いようです。

FA宣言をして移籍した場合の補償

選手がFA宣言をして、他のチームに移籍した場合、その選手を獲得したチームは、移籍元のチームに補償をしなければいけない場合があります。

FA宣言した選手にはランクがつけられる

元々所属しているチームでの年俸の高い順で、上位3位までをランクA、4位から10位までをランクB、11位以下をランクCとランク付けされます。このうち、ランクAとランクBの選手がFA宣言をして移籍する場合、移籍元のチームは補償をしなければいけません。補償は金銭補償と、人的補償のあり・なしが選べます。

ランクAの選手の場合の補償

  • 金銭+人的補償あり:プロテクト外の選手1名+旧年俸の50%の金銭(2度目以降のFA移籍ならプロテクト外の選手1名+旧年俸の25%の金銭)
  • 金銭補償のみ:旧年俸の80%の金銭 (2度目以降のFA移籍なら40%の金銭)

ランクBの選手の場合の補償

  • 金銭+人的補償あり:プロテクト外の選手1名+旧年俸の40%の金銭(2度目以降のFA移籍ならプロテクト外の選手1名+旧年俸の20%の金銭)
  • 金銭補償のみ:旧年俸の60%の金銭 (2度目以降のFA移籍なら30%の金銭)

ランクCの選手の場合の補償

ランクCの選手の場合、金銭・人的補償ともに発生しません。

プロテクトリストとは?

先ほどの説明で、”プロテクト外”という表現を使いました。人的補償の場合、移籍先のチームが移籍元のチームに対して、欲しい選手を指名します。”プロテクト”とは移籍元のチームが人的補償の対象選手から外す選手のことで、”プロテクトリスト”と呼ばれます。ここに入っている選手は、補償対象として指名できません。

海外FAの場合の補償は未整備

では海外FAの場合はどうでしょうか?じつは補償条件はあまり整備されていないのが現状です。

過去、FA宣言した選手一覧

FAによって獲得できる人数は2名まで

基本的に、1つの球団がFA宣言をした選手を獲得できる人数の上限は2名です。
近年のプロ野球ではあまりないですが、FA選手が21名以上30名以下の時は3名まで、31名以上40名以下の時は4名まで、41名以上の時は5名まで獲得できます。

過去のFA宣言した選手一覧

参考に、過去にFA宣言をした選手の一覧です。毎年様々な選手がFAによって移籍していますね。

選手移籍元移籍先FAの種類ランク補償内容
2008年中村紀洋中日ドラゴンズ東北楽天ゴールデンイーグルス海外C
野口寿浩阪神タイガース横浜ベイスターズ海外C
相川亮二横浜ベイスターズ東京ヤクルトスワローズ海外B金銭
2009年藤本敦士阪神タイガース東京ヤクルトスワローズ国内C
橋本将千葉ロッテマリーンズ横浜ベイスターズ海外C
藤井秀悟北海道日本ハムファイターズ読売ジャイアンツ国内C
2010年藤井彰人東北楽天ゴールデンイーグルス阪神タイガース海外C
細川亨埼玉西武ライオンズ福岡ソフトバンクホークス国内B金銭
森本稀哲北海道日本ハムファイターズ横浜ベイスターズ海外B金銭
内川聖一横浜ベイスターズ福岡ソフトバンクホークス国内B金銭
小林宏之千葉ロッテマリーンズ阪神タイガース海外A高濱卓也
2011年村田修一横浜ベイスターズ[27]読売ジャイアンツ海外A藤井秀悟
鶴岡一成読売ジャイアンツ横浜DeNAベイスターズ[27]国内C
許銘傑埼玉西武ライオンズオリックス・バファローズ国内C
帆足和幸埼玉西武ライオンズ福岡ソフトバンクホークス国内B金銭
杉内俊哉福岡ソフトバンクホークス読売ジャイアンツ国内A金銭
小池正晃中日ドラゴンズ横浜DeNAベイスターズ[27]国内C
サブロー読売ジャイアンツ千葉ロッテマリーンズ海外B高口隆行
2012年日高剛オリックス・バファローズ阪神タイガース海外C
寺原隼人オリックス・バファローズ福岡ソフトバンクホークス国内B馬原孝浩
平野恵一阪神タイガースオリックス・バファローズ国内B高宮和也
2013年小笠原道大読売ジャイアンツ中日ドラゴンズ海外C
山崎勝己福岡ソフトバンクホークスオリックス・バファローズ国内C
久保康友阪神タイガース横浜DeNAベイスターズ国内B鶴岡一成
大竹寛広島東洋カープ読売ジャイアンツ国内A一岡竜司
中田賢一中日ドラゴンズ福岡ソフトバンクホークス国内C
鶴岡慎也北海道日本ハムファイターズ福岡ソフトバンクホークス国内B藤岡好明
片岡治大埼玉西武ライオンズ読売ジャイアンツ国内B脇谷亮太
涌井秀章埼玉西武ライオンズ千葉ロッテマリーンズ国内A中郷大樹
2014年大引啓次北海道日本ハムファイターズ東京ヤクルトスワローズ国内B金銭
成瀬善久千葉ロッテマリーンズ東京ヤクルトスワローズ国内B金銭
小谷野栄一北海道日本ハムファイターズオリックス・バファローズ海外C
相川亮二東京ヤクルトスワローズ読売ジャイアンツ海外B奥村展征
金城龍彦横浜DeNAベイスターズ読売ジャイアンツ海外C
2015年高橋聡文中日ドラゴンズ阪神タイガース国内C
脇谷亮太埼玉西武ライオンズ読売ジャイアンツ国内C
今江敏晃千葉ロッテマリーンズ東北楽天ゴールデンイーグルス海外A金銭
木村昇吾広島東洋カープ埼玉西武ライオンズ海外C
2016年岸孝之埼玉西武ライオンズ東北楽天ゴールデンイーグルス海外A金銭
糸井嘉男オリックス・バファローズ阪神タイガース国内B金田和之
山口俊横浜DeNAベイスターズ読売ジャイアンツ国内B平良拳太郎
森福允彦福岡ソフトバンクホークス読売ジャイアンツ国内C
陽岱鋼北海道日本ハムファイターズ読売ジャイアンツ国内B金銭
2017年増井浩俊北海道日本ハムファイターズオリックス・バファローズ国内A金銭
大和阪神タイガース横浜DeNAベイスターズ国内B尾仲祐哉
野上亮磨埼玉西武ライオンズ読売ジャイアンツ国内B高木勇人
大野奨太北海道日本ハムファイターズ中日ドラゴンズ海外B金銭
鶴岡慎也福岡ソフトバンクホークス北海道日本ハムファイターズ海外C
2018年炭谷銀仁朗埼玉西武ライオンズ読売ジャイアンツ海外B内海哲也
浅村栄斗埼玉西武ライオンズ東北楽天ゴールデンイーグルス国内B金銭
丸佳浩広島東洋カープ読売ジャイアンツ国内A長野久義
西勇輝オリックス・バファローズ阪神タイガース国内B竹安大知
2019年美馬学東北楽天ゴールデンイーグルス千葉ロッテマリーンズ国内B酒居知史
鈴木大地千葉ロッテマリーンズ東北楽天ゴールデンイーグルス国内B小野郁
福田秀平福岡ソフトバンクホークス千葉ロッテマリーンズ国内C
2020年梶谷隆幸横浜DeNAベイスターズ読売ジャイアンツ国内B田中俊太
井納翔一横浜DeNAベイスターズ読売ジャイアンツ国内C

まーく

以上が、野球のFA(フリーエージェント)の解説でした。少しでもプロ野球ファンのお役に立てればうれしいです。みなさまが楽しい野球ライフを送れることを願っています!