ピッチングでなぜ配球が必要なのか?配球の基本を知ろう!

試合でのピッチングにおいて、『配球』が行われます。配球とは、バッテリーが相手バッターをアウトにするために打ち取るために様々なコース、球種を投げ分けていくことです。この『配球』はなぜ必要なのでしょうか?この記事では、全ての野球プレーヤーと指導者の方のために、”なぜ配球が必要なのか”について解説します。基本的な内容ですが、理解しておくことでピッチング技術やキャッチャーのリード技術向上に役立ちますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まーく

ちなみに、この記事は、野球歴25年以上の野球マニアである、私まーくが書きました。みなさまのお役に立てれば嬉しいです。

なぜ配球が必要なのか?

野球の目的は、勝つことです。そのために守備側は相手から27個(※9回の試合の場合)のアウトを取る必要があります。
ではどうすればアウトを取りやすくなるのでしょうか?
それは、相手バッターを三振や内野ゴロやフライで打ち取ることです。
ではそのためには何が必要でしょうか?
じつはその答えが”配球”なのです。

同じコースに同じボールを投げ続けると人間は慣れてしまう

同じコースに同じボールを投げ続けると人間は慣れてしまい、段々と打てるようになってきます。これを”順応”といいます。例えばバッティングセンターでは同じコースに同じスピードのボールが来るので、タイミングとコースを合わせてバットを出せば、打てるようになります。
だからもしもピッチャーが試合で同じコース、同じボールを投げ続けると、相手バッターは1つのパターンに合わせるだけになりますので、バッティングセンターのように打ちやすい状況になるのです。

配球によって相手のインパクトゾーンからボールを外して打ち取ろう

だから必要になるのが”配球”です。
相手バッターを打ち取るために必要なのは、相手にヒットやホームランになるような打ち方をさせないことです。バットの芯のスイング軌道と投げられたボールの軌道が重なるゾーンを”インパクトゾーン”といいますが、このゾーンで打たれるとヒットやホームランになる確率が上がります。逆に、そこを外すことでその確率は下げることができます。そしてそれは”配球”によって、上手くインパクトゾーンを外すということが出来るようになるのです。

配球は基本的に人間の”感覚”や”心理”を利用する

残像を利用する

人間の目は、直前に見たものが残像として短期的な記憶になります。この残像を利用して、例えばストレートを投げた後に、同じ軌道でフォークを投げると、バッターはストレートだと思ってスイングし、結果的に空振りになるというようなことができます。

緩急を使ってタイミングを外す

また合わせて、緩急を使ってタイミングを外す、という方法もあります。例えばストレートのあとにスローカーブを投げれば、バッターはストレートのイメージ(残像)が残っているところに遅いボールが来るので、タイミングが外れて、空振りだったり、力が入っていないポイントでボールを捉えることになるのです。

ストライクゾーンを目一杯使う

また、近い考え方に、”ストライクゾーンを目一杯使う”というものもあります。例えば3球続けてインコースに投げられた後にアウトコースに投げられると、バッターはそのボールがとても遠く見えます。実際にはストライクでもボールに見えることがあるのです。さらに、ストライクゾーンの中でもバッターのフォームによって、インパクトゾーンに入れやすいコース・入れにくいコースがあります。これらを把握してストライクゾーンの中でも投げ分けていくことができるのです。

バッターの意表をつく

これは心理戦になりますが、”バッターの意表をつく”という考え方のリードもあります。例えば、フォークピッチャーが、絶対にフォークを投げるような状況(2ストライクに追い込んだ後など)であえて別の変化球を投げて見逃しを狙う、などがその考え方の典型です。

配球に正解はない

このように様々な人間の感覚や心理を利用した様々な配球方法があります。それらについては別の記事でパートに分けて詳しく解説していきます。
重要なことは”配球に正解はない”という点です。もちろんセオリーはありますしそれも解説していきますが、絶対にバッターを抑えられる正解はありません。なので配球は半分”結果論”とも言えます。同じ投球内容でも、打たれたらダメ出しをされ、抑えられたら褒められることもあるのです。
だから大事なのは、常にバッターを打ち取るためにはどうすればいいのか?を考え、しっかりと結果を振り返り、次の配球に生かしていくというサイクルを続けていくことです。頑張りましょう。

以上が、”なぜ配球が必要なのか”についての解説でした。今後さらに詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。みなさまの野球人生がより良いものになりますように。